【愛媛】LED化による電気代の変化とは？～美術館・仏閣～

鑑賞用の照明

美術館や仏閣などの照明は、一般的な照明よりも、上質であることが求められます。それは、展示物をより鑑賞しやすくする必要があるからです。展示物の大きさや形状だけではなく、展示する目的や展示室の状況などの様々な条件に合わせて、照明の演出性・光色・照度などを検討しなければなりません。LEDには高演色性などの特長があるので、目的に合わせて快適な視環境を作ることができます。

文化財の展示用の照明

美術館や仏閣などでは、白熱電球や蛍光灯のような従来のランプでも、低損傷・高演色性のものを使用していましたが、技術の革新によりLEDが進化したことで、より良好な照明が実現できるようになりました。LEDの光は、展示物が損傷する原因となる、紫外線や赤外線の放出量が少ないことが特長です。ですので、白熱電球や蛍光灯のようにフィルターを使用しなくても、紫外線や赤外線をごくわずかな量に抑えることができます。また、LEDは高演色性の白色光源の実現が可能です。さらに、色温度の調整もできるため、多彩な照明を作り出すことができます。

エコな照明

展示物の損傷は、光や放射、温度や空気汚染が主な原因で起こります。そのため、展示物を守るためには、照明だけではなく、空調の管理も重要となります。美術館や仏閣では、展示物にふさわしい環境を整えるために、常に空調の管理を行っています。熱の放出量が多い、白熱電球や蛍光灯のような従来のランプでは、空調への負荷も大きくなりますが、発熱量が少ないLEDなら空調の負荷を抑えられ、消費電力の削減につなげられるので、地球環境に優しいエコな照明を実現することができます。

大幅な電力削減効果

学校施設へのLED照明導入により、従来の照明器具に比べて75%以上の省エネ対策の効果が期待できます。具体的には、以下のような電力削減効果があります。

蛍光灯：約300kWh（電力消費量/年）

LED照明：約60kWh（電力消費量/年）

この例のように、1年間でLED照明は蛍光灯の約5分の1の電力消費量で済むことが分かります。学校施設全体で見れば、電力削減効果はさらに大きくなります。省エネ対策として非常に有効であるといえるでしょう。

ランニングコストの大幅削減

学校施設へのLED照明導入によるランニングコストの削減効果は大きいです。一般的な照明器具と比べ、LEDは長寿命で電球交換の手間が省けます。

LEDは5年から10年ほどの長寿命なので、電球交換作業にかかるコストを大幅に削減できます。また消費電力が少ないため、電気代の削減にも大きく貢献します。初期投資は高めですが、長期的に見れば大きなコストメリットがあります。

良好な学習環境の実現

学校施設へのLED照明導入により、適切な明るさと無眩光の環境が実現されます。これにより生徒の集中力が高まり、学習効果の向上が期待できます。LED照明に加えて、教室内の温湿度や電力消費量などのモニターを設置する学校もみられます。

生徒自身が快適な環境を作り出せるよう、省エネ行動を誘発する仕掛けを導入するのも望ましいでしょう。

白熱電球

消費電力（54W）÷1000×1日の使用時間（8時間）×1kWhあたりの電力量料金（27円）＝電気代は11.6円

蛍光灯

消費電力（12W）÷1000×1日の使用時間（8時間）×1kWhあたりの電力量料金（27円）＝電気代は約2.6円

LEDランプ

消費電力（8W）÷1000×1日の使用時間（1時間）×1kWhあたりの電力量料金（27円）＝電気代は約1.7円

1日当たりの電気代の差はわずかですが、1年を365日として計算すると、大きな差になることがわかります。美術館や仏閣などには、多くの照明が設置されているので、すべての照明をLEDランプに交換することで、大幅に電気代を削減することへとつなげられます。

また、LEDは導入時にコストがかかりますが、LEDが広く普及した現在では、LEDランプの価格も以前ほど高くはありません。LEDランプは寿命が長く、交換の手間とコストを省けることも特長なので、電気代と合わせてランニングコストを抑えられるため、導入にかかる費用もすぐに回収することができます。